[あらすじ]
怪盗実習中に気を失った音澄子童（ねすみしど）は、夢を見る
見知らぬ、しかしどこか懐かしい人物との邂逅から目覚めると
そこには見舞いに来たガンさんがいた
ガンさんとの会話の中で子童はひょんなことから一つの質問をぶつける
都立怪盗高専に伝わる怪盗の心得
「怪盗は殺さず、犯さず、ただ廻天させるのみ」
とは一体どういう経緯で掲げられたものなのかと
丁度見舞いに来た亜瑠瀬四季（あるせしき）と二戸（にこ）えみる達を前に
ガンさんは子童の質問に答える。一つ昔話をしよう、と

時は安土桃山時代、豊臣の治世の頃。そこに一人の役者がいた
時代を先取し過ぎたあまり、挫折した彼が出会ったのは亡国の姫とその仲間たち
やがて彼は天下を巡る大騒動へと巻き込まれていく
それは石川五右衛門誕生の秘話
一人の男が怪盗として成長し、その精神を後世に伝えていく物語
そして、それは現代まで引き継がれる怪盗の精神の物語へとなる

そして現在、一人の怪盗が動き出す
その名は守篤教師（もりあつたかし）
都立怪盗高専の名物教師である彼の思惑によって止まっていた時計が動き始める

古の怪盗の精神と今日と未来を生きる怪盗の思惑が交差する
これは過去からの収束であり、クライマックスへの序章
そう、これより語られるのは決して外伝ではない......