普通の中学生だった「音澄子童（ねすみしど）」は、謎の男「守篤教師（もりあつたかし）」によって10年前に失踪した父親が怪盗であったことを知らされる。

　父親の名前や怪盗としての姿を知りたいと思う子童に守篤は条件を出す。それは「怪盗育成専門学校『都立怪盗高専』に入学する」ことだった。

　守篤の推薦による入学試験に合格した子童はクラスメイトである「弁天（かんむりそら）」と44回連続落第の「岩山さん」と共に怪盗団『天山鼠（てんざんねずみ）』を結成し、怪盗としての座学や実習を受けることとなる。

しかし、そこに立ちふさがったのが名門怪盗の子女「亜瑠瀬四季（あるせしき）」。入試成績NO.1だった四季は、名物教師の推薦という鳴り物入りで注目を浴びた子童に対抗意識を持っていたのだ。思うように点数が稼げず焦る子童に岩山さんが語る、「怪盗とは停滞する世の中をかき回し世界を動かしていく存在なのだ」と。

　父親もそういう存在だったのだろうかと考えた子童は、父親の行方だけではなく『父親が見ていたであろう世界』を知るために怪盗になろうと決意する。

　一方四季は実習先で怪盗の宿敵である強盗団「バーグラーズ」の幹部の一人「ハングドマン」と出会う。助けを呼ぶために四季を逃がした取り巻き「黒屋（くろや）」と「二戸（にこ）」は重傷を負う。また事態の収拾まで実習は中止となり、このままでは子童達は単位が足りないことが確定する。

　子童は四季と取引をする。「ハングドマンを出し抜けば、僕らは単位がもらえて君は仇が討てる。どうだい？」こうして天山鼠+四季の一時的なチームが結成される。
　
　様々なトラブルがありながらも、ハングドマンの獲物を横取りしただけでなく制圧した子童達。しかし、それは実習の中止を宣言していた学校としては違反行為であり、彼らは処分の対象となる。

　しかし、そこで岩山さんが正体を現す。なんと（？）岩山さんは『本当の学長』だったのだ。学生の目線で子童達を見てきた岩山さんは教師たちに言う、「規則違反だけでなく、怪盗としての正義を貫こうとした彼らの意思も見てやって欲しい」。
　
　子童達の功罪を加味した結果、処分が下される。それは「夏休み中の1週間、地域奉仕」！無事単位と夏休みをゲットでき喜ぶ子童達であった。
　
　しかしその陰で大人達は動き出す。怪盗達は第一歩を踏み出した名怪盗の息子を見守るために、強盗は欠けた大アルカナを埋めるために...